【生産者 SPECIAL STORY】岩代家敷大王:人と人とを結びつけ、クラブとともに成長していくスタジアムグルメを。
古き良きを残し、愛され続ける「いもくり佐太郎」
福島ユナイテッドFCのホームスタジアム、とうほう・みんなのスタジアムへ向かう道すがらにある創業60年を数えるレストラン、岩代家敷大王(いわしろやしきだいおう)。
そんな老舗の食事処に併設する菓子処桃里庵(とうりあん)には、スタジアムグルメとしてサポーターやファンに親しまれている「いもくり佐太郎」(以下:佐太郎)がある。和風スイートポテトという表現がピッタリの佐太郎はさつま芋と大粒の栗をたっぷり使い、ふっくらとした食感と素材本来の甘さを味わうことができる。
誕生から30年、福島の銘菓として知られているが、3代目当主の代表取締役社長 佐藤卓宏(さとうたかひろ)さんは「佐太郎は初代の女将さんが東京からパテシエを招いて考案されました。商品の中の一つとして考えていましたが、思いの外できが良く、たちまち人気商品になりました。今ではうちの一番人気です」と振り返る。
“待つ”ことから一歩踏み出し、新しい世界を拓く
誕生以来、ロングセラーとなっている佐太郎だがテレビや雑誌に取り上げられるようになったのは、ここ10年くらいだと言う。「お店は温泉地や観光地に向かう途中にあるので待っていてもお客様がいらっしゃいました。そのおかげで積極的な宣伝をしなくてもよかったんです」と話す佐藤さん。しかし2011年に起こった東日本大震災をきっかけにこれまでの考えが変わったと続けた。
震災後、福島への観光客は激減し飲食や観光業は大きな打撃を受けた。その苦境のなか、これまで待ちの姿勢だった佐藤さんは、自ら行動を起こすことで地元を盛り上げていきたいという気持ちが芽生えた。
「少しでも福島の復興につながるように、県内はもとより県外へ積極的に足を運びました。今までにない一歩から福島のこと、そして佐太郎を知ってもらえたことがうれしかったですね。自分としても代えがたい経験から多くの人との縁を結ぶことができました」
この経験が、後に福島ユナイテッドFCとの縁につながっていく。
地元ふくしまを盛り上げる原動力になりたい
震災を経て、多くの人と地域の結びつきに手応えを感じた佐藤さん。お菓子を通じて地元ふくしまを盛り上げたいという気持ちの高まりもあり、福島ユナイテッドFCのホームゲームで自慢の銘菓の販売が始まった。
「私も高校時代はサッカー部でした。そして同学年の中では“超”がつくほど有名だった時崎塁選手が所属していましたし、JFLからJ3で戦うタイミングだったことも大きい要因でした。でも一番は地元クラブを応援して、一緒に成長したいという気持ちですね」と佐藤さん。
ともに成長するという思いとJリーグの地域振興の理念がリンクしたことで、佐太郎は福島ユナイテッドFCのスタジアムグルメとなった。今ではサポーターや観戦客だけでなく、アウェイクラブのサポーターにも評判が広がり、完売することもある。
佐太郎とクラブの関係について佐藤さんは「福島ユナイテッドFCは福島の観光資源だと思っています。佐太郎とクラブを通して福島の元気を発信すること、クラブとともに成長していくことができればいいですね」と、語ってくれた。
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生産者インフォメーション
岩代家敷大王(株式会社ダイオー)
WEB | https://www.imokurisatarou.com/ |
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住所 | 福島県福島市下野寺薬師堂後4 |
TEL | 024-535-3311 |
営業時間 |
レストラン |
桃里庵(菓子店舗) |